2016年11月のピクニックでは、昼食にみんなでアフリカ料理を楽しみました。
今回は西アフリカのセネガル料理を2種類用意しました。お弁当形式でのランチだったのでソースタイプ(ウォロフ語で「ニャール・チン=2つの鍋」)の料理マフェとヤッサを持参しました。
※ウォロフ語:セネガルのウォロフ/Wolf(族)の人々が使う日常語。いちばん人口比率が多いため、ある意味セネガル国内の共通語となっている。
セネガル料理はお米が国民食?!
意外にもセネガルでは“お米”が多く食べられています。今回紹介する料理やセネガルの人が国民食として食べる“チェブ・ジェン”もお米の料理です。ちなみに“チェブ”はお米を意味するウォロフ語です。
セネガルの食事は3食の中で昼食がいちばんメインの食事になります。この昼食メニューがほぼすべて“お米”です。それが大きく分けて先ほど紹介したニャール・チンとベンヌ・チン(1つの鍋)という2種類の料理法によって分けられています。ベンヌ・チンは日本でいえば炊き込みご飯やパエリアのようなもので、ニャール・チンはカレーのようにソースをご飯にかけて食べる料理です。
今回はセネガル料理のマフェ(Mafé)をレシピと一緒にご紹介します。
セネガル料理マフェ(Mafé)のレシピ
マフェは簡単に言えば「ピーナッツソースとごはん」です。ピーナッツとトマトベースのソースをご飯にかけて食べる料理です。
日本で作る場合には、ピーナッツバターを利用して作ります。
詳しいレシピは>>> こちらマフェの作り方
料理の材料から見るセネガルの食べ物と農業
今回紹介したセネガル料理のマフェは「ピーナッツ」がメインの料理です。
ピーナッツはセネガルの主な農産物の1つで、2014年FAOの統計によれば世界の生産国の第8位(669千トン)となっています。そのためセネガル人の生活には欠かせない食材で、マフェはもちろん料理で使う油やおやつにもピーナッツが利用されています。
セネガルではピーナッツに関わる言い方も多くあるんですよ。
≪ウォロフ語での“ピーナッツ”の言い方≫
- マフェ(Mafe)・・・料理名、ピーナッツソースのごはん
- グェルテ(Guerté)・・・殻つきの未加工ピーナッツ、フランス語でアラシッド(arachide)とも言う
- ケンブ(Kenbe)・・・殻なしの中身だけのもの
- ティゲデゲ(Tigue Dégué)・・・炒ったピーナツをすりすりつぶしたもの、マフェに使う
- グェルテ バハル(Guerté Bakhal)・・・ゆでたピーナッツ、Bakhalがゆでるの意味
- グェルテ サァフ(Guerté Saaf)・・・炒ったピーナッツ、Saafが炒るの意味
※セネガルの公用語はフランス語
生活に密着しているからそれぞれの状態に合わせた言い方(単語)があるんでしょうね。なかなか興味深いです。
なおアフリカン・キッズクラブの母体のアフリカ日本協議会(AJF)では、アフリカの食と農に関する事業支援や研究会を行っています。詳しい各国の農業事情について興味のある方はAJFホームページもご覧ください。
>>> アフリカ日本協議会ホームページ
またアフリカ各国の食文化について歴史や文化的な背景からより詳しく書かれた本に「世界の食文化-アフリカ-(農文協)」があります。アフリカの各分野の研究者が現地での調査や体験をもとに書かれていて、食を共にして知る日本との食習慣(文化)の違いに“なるほど!”と納得しました。

著者:小川 了
発行:2004年10月
発行元:農山漁村文化協会
目次:
第一章-アフリカの食の特質
第二章-サバンナの雑穀・熱帯のマニョック・そしてバナナ
第三章-セネガル都市民の食Ⅰ
第四章-セネガル都市民の食Ⅱ
第五章-セネガルの食の周辺
第六章-特色あるエチオピアの食
第七章-酒
第八章-狩猟採集民の食