犠牲祭(タバスキ)がやってくる【西アフリカの文化から】

イスラム暦9月のラマダーン月の断食が終わると、イスラム教の最大の祭り『犠牲祭』(Eid ul-Adha)が行われます。2017年は9月1日~4日くらいまでです。西アフリカ諸国では“タバスキ(Tabaski)”と呼ばれています。イスラム暦の12月10日から4日間です。イスラム暦の12月にあたり“巡礼月”とも言われます。

ムスリムはこの日を目指して大移動が起こります。さながら日本のお正月あるいはクリスマスホリデーのようです。メッカへの巡礼が行われるのもこの期間です。

犠牲祭で試される男の力量?!

この犠牲祭では各家庭で必ず羊1頭を神に捧げることになっています。一家の長はこの日に自分の資金力に応じて羊を購入することになります。できない(買えない)ということはまず考えられないというプレッシャーのもと、よい羊を求めて品定めと値段交渉に余念がありません。

いつもはそれほど多くない家畜市場(daral=foirail)もこの時期は大規模になり、他の場所でも不定期市のように道沿いにテントがはられ羊が占拠しています。羊はセネガル国内はもちろん隣国マリやモーリタニアから連れてこられます。この畜産(養畜)を行っているのはプル(peul)の人々です。

羊の値段は年や大きさによって変動がありますが、セネガルでは安い羊(若くて小さめ)で5万CFA~、高い羊で200~300万CFAで平均相場は15~35万CFAくらいです。公務員給料の2か月分ほど。一般の人にとっては年1回のことといえどもハードルが高いです。その他、服を新調したり何かと出費の多くなる時期でもあるのでお金の工面に四苦八苦します。(在日アフリカ人の元にはこの時期は会ったこともない遠い親戚や突然の友人からの電話が増える、、、)
※1JPYは5.03CFAくらい(2017年8月)

犠牲祭の肉は羊(雄)が基本です。経済的に無理な場合はヤギ→牛→ニワトリとグレードを下げてもよいことになっていますが、セネガルではまず見かけません。意外に体裁を気にするようです。
また家長が働けない、収入がない状況にある家庭には政府から補助がおりる(もしくは現物支給)ようになっています。

犠牲祭は分かち合いと感謝を再認識する機会

犠牲祭(タバスキ)では当日礼拝の後、いよいよ羊の登場です。必ず家長自らが生きた羊を屠殺します。その後はものの見事に皮が剥がされ解体されていきます。これを見ると食べ物をいただくことのありがたみがよくわかります。
羊は蹄以外はすべて使われます。この日の羊肉は3つに分けられ1つはその日の食事となり2つ目は貧しい人に配られ、3つ目は保存食としておいておきます。

ラマダン月から犠牲祭の間は慣習としてイスラム教徒は5行のうちの1つ「ザカート(喜捨)」を行うのが義務です。貧しい人に肉や食料を配り、財産を持つ人は年収の2.5%を寄付します。アフリカでは常日頃から“分かち合い”は行われていますが、この時期は特に気前よく(?)施しが行われます。子どもにとっては特に楽しい祭りです。
この犠牲祭(タバスキ)は宗教に関係なく多くの家庭から招待をされて食べきれないほどのご馳走や肉をすすめられることになるので、快く招待に応じて喜びと感謝の分かち合いを受け、ご馳走にあやかりましょう。

この1か月後はイスラム暦の新年にあたります。セネガルでは「タマハリ(Tanakharit)」といわれておもしろい慣習があります。では1か月後に。。

yacine

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