西アフリカ セネガルの新年行事が興味深い

     

イスラム教(イスラム暦)の新年がやってきます。2017年は9月22日(金)です。この前にイスラム教最大の祭『タバスキ』があるので、ちょっと影が薄いですが、この日を堺に1年を清算します。この日は国民の休日となります。”

セネガルのチェレ
我が家のチェレ

西アフリカのセネガルではこの新年の10日後に『Tamakharit(タマハリ)』と呼ばれる祭りがあります。新年と他の宗教行事を合わせた祭りです。

この日の食事はThiere/チェレ(セネガルのクスクス)です。チェ レは唐人ビエ(le millet=ミル,ミレット)からできているため少しグレーっぽい色で、味は若干酸味があります。これにトマトベースのソースをかけて食べると絶妙なバランスでおいしく、クセになります。

セネガル独自の文化“Tajabone” (タジャボン)

セネガルでは独自の慣習としてあるのがTajabone(タジャボン)です。祝いの祭なのですが、さながら仮装の詳しい歴史的経緯は定かではありません。聞くところによると元々宗教的儀式(修行)だったものが変化した、ということです。1年の清算を行うためにタリベ(※1)が家々をまわりコーランの一説を唱えて施しをもらった、ということからきているようです(諸説あり)。真相のほどは確かではありませんが、現在ではセネガル流にアレンジされてしまったようで、ダンスなど宗教からかけ離れているような……。

※1 タリべとは一般的に「コーランの教えに従う者」の総称。

ともあれ子どもたちは大はしゃぎで仮装を行い「Tajabone(タージャボン)、Tajabone……と言いながら近所を歩き家々をまわってダンスをして笑わせたり、家の人をこれでもか!というくらい讃え、お米やミル(ミレット)、砂糖、お金などをもらって歩きます。
大人でも仮装する人もいます。 テレビではそのような人達が漫才(?)やダンスをしたりして笑いを誘う番組もあります。 観ているだけでもおもしろいです。 さながらセネガル版ハロウィンのようです。

このTajaboneにちなんだ歌もあります。 伝統的な歌でTamakharitの夜に天使が舞い降りるという内容のものでセネガルでも人気があります。 (Senegal Ismael Lo Tajabone 歌:Ismael Lo, Senegal)

他のイスラム諸国ではこの時期は娯楽を自粛するところもあると聞くので、 ダンスをして楽しくこれまでを清算し、 そしてこれから1年を新しく過ごしていこうとする国民性が喜ばしいです。